消石灰は排水処理に必要?役割やトラブルを分かりやすく解説

「排水処理で消石灰を使っているけど、トラブルが多い…。」とお悩みではありませんか?

排水処理で使われることがある消石灰ですが、どのような役割をしているか分からないという人も多いかもしれません。

そこで本記事では排水処理における消石灰の役割や起こりやすいトラブルについて、わかりやすく解説します。

記事の最後には消石灰を使わない方法も簡単に紹介しますので、お悩みの方はぜひ最後までご覧ください。

 

消石灰とは?

消石灰は水酸化カルシウムの別名です。

子どもの頃にラインカーで白線を引いた経験を持つ人も多いでしょう。

白線の正体は消石灰です。

消石灰には水の浄化や脱臭、殺菌作用があるので、上水処理や下水処理で使用されることもあります。

 

排水処理における消石灰の役割

消石灰は排水処理のさまざまな場面で登場します。主な役割は以下のとおりです。

  • フッ素濃度を下げるために使用する
  • 苛性ソーダに代わるpH調整剤として使用する
  • フィルタープレス時の脱水効率を上げる

排水処理で消石灰が最もよく使われるのが、フッ素濃度を下げる工程です。

高濃度のフッ素をある程度の濃度に下げるためには、最も適した薬品だといえます。

消石灰はpH調整剤としても使用可能です。

劇物である苛性ソーダに代わる存在ですが、汚泥の量が増えるというデメリットもあり、実際はあまり使われていません。

汚泥に消石灰を加えると脱水しやすくなります

しかし、最近は汚泥を減らす方向の排水処理が多いため、脱水の用途でも消石灰はあまり使われていません。

 

排水処理における消石灰でのトラブル

消石灰での廃水処理は、トラブルも多く「できれば使いたくない」と感じているユーザー様も多いでしょう。

主なトラブルは以下のとおりです。

  • 配管等のスケール問題
  • 濃度が不安定になりやすい
  • カルシウム不足によるフッ素基準超過
  • 現場が汚れる

それぞれを詳しく確認していきましょう。

配管等のスケール問題

消石灰は水酸化カルシウムのため、他の不純物と結合してスケールが発生する可能性があります

消石灰の溶解装置、槽壁面や配管、バルブやポンプなど排水処理に関わる全ての場所がスケール発生の対象です。

消石灰が原因でできるスケールはかなり硬いため、簡単には除去できません。

放置しておくと詰まりの原因となる厄介な存在です。

濃度が不安定になりやすい

消石灰は粉末を水に溶かして使うことが一般的です。

しかし、溶解度が低いという特徴があり、トラブルの原因となります。

最低5分間は攪拌しなければならず、水溶液の濃度が不安定になりがちです。

濃度が安定しなければ、当然ながらpH調整がうまくいかないなどのトラブルが発生します。

カルシウム不足によるフッ素基準超過

消石灰の濃度が不安定になると、水溶液中のカルシウムも不足しやすくなります

フッ素濃度を下げるために消石灰を使用している場合、フッ化カルシウムが生成されにくくなり、フッ素の濃度が下がりきりません。

フッ素の排水基準は8mg/Lと厳しいため、不安定な消石灰での処理はトラブルになりやすいといえます。

弊社では消石灰ではないフッ素処理を提案しています。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連記事:消石灰じゃないフッ素処理!低濃度フッ素の除去方法を解説

現場が汚れる

消石灰はとにかく現場が汚れてしまいます。

小学校でラインカーを置いていた倉庫を思い出してもらえれば分かりやすいでしょう。

消石灰を充填するたびに粉塵が舞います。

劇物でないことが救いですが、それでも作業環境は良いとはいえないでしょう。

 

消石灰に代わる薬品「アクアネイチャーDC」

消石灰の最大の欠点は「溶解度が低すぎる」ことです。

溶解度が低いために、スケールや濃度の不安定などさまざまな問題が発生します。

弊社では消石灰に代わる薬品として「アクアネイチャーDC」を提案しています。

苛性ソーダと同様の効果がありますが、劇物ではなく安心してご利用いただけます。

アクアネイチャーDCについては下記の商品ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。


商品ページ:カルシウム系アルカリ剤「アクアネイチャーDC」


 

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