脱水用ポリマーの選定③ 実機試験編

『脱水用ポリマーの選定②』からの続き

前回のラボ試験の結果をもとにお客様の実機で最終の試験を行いました。
実機で試験をする際には、ラボ試験とは違い様々な要素が加わってきます。

例えば、撹拌の強さ(回転数や羽根の大きさ)・撹拌時間、更には凝集処理
後に脱水機までポンプ移送をする際の距離やエルボの数などによってフロック
の状態が大きく変化します。

当社の強みは、無機凝集剤(PACやポリ鉄、硫酸バンドなど)と高分子凝集剤
(ポリマー)両方の知見がある事です。

脱水性を向上させる場合には、無機凝集剤と高分子凝集剤両方の知見が
必要になります。

多くの薬品メーカーさんの場合には、どちらか一方に特化し製品開発・販売
をしている事が多いため、どちらか一方の薬品の変更や調整のみで対応して
しまいがちです。

しかし脱水性の良し悪しには、無機凝集剤・高分子凝集剤両方の要素が
非常に大きく関わってきます。

今回のお客様の場合では、『脱水用ポリマーの選定①』の性状の分析の
部分で記載したように、粗浮遊物=1.88%/TSとなっており、非常に脱水が
難しい廃水でした。

このような廃水の場合には、無機凝集剤(PACやポリ鉄、硫酸バンドなど)
を十分に投入することで、脱水性が格段に向上します。
今回は、ポリ鉄を使用しました。

○左から順にポリ鉄の量が多くなっています。
【横からの写真】             【上からの写真】
画像の説明 画像の説明

この写真からだけでは分かり難いですが、ポリ鉄の量が多くなるにつれて
フロックがしっかりと形成されています。

○上の写真に、同じ量のポリマーを投入しました。
【横からの写真】             【上からの写真】
画像の説明 画像の説明

この写真を見ると違いは一目瞭然です。
無機凝集剤(ポリ鉄)の量によって、これだけ大きな違いが出てきます。
粗浮遊物が少ない廃水の場合には、高分子凝集剤(ポリマー)の添加量や
種類を変えるだけでは、脱水性を向上させるのは難しいと言えます。

しかし、無機凝集剤の添加量を増やす事で脱水性が大きく向上します。
廃水に応じて、どの薬品を増やしてあげる事で、お客様の課題を解決
できるのかは、いかに沢山の廃水を試験したかに依る部分が非常に
大きく、知識以上に経験がものをいう分野です。

【脱水ケーキの様子】
画像の説明

廃水の状況に応じてこれまでの経験を元に最適なご提案をさせて頂きます。
お困りの際にはネクストリーへご相談ください。

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